特別養護老人ホームは重度の認知症患者も受け入れているため、その対応をする介護職員は暴言を浴びせられることもあれば、同じことを言われてげんなりしてしまうこともあるでしょう。
妄想などの症状が出る病気であり仕方がないと考えていても、つい面白くない顔になってしまうと悩む介護職員もいます。
介護職員も聖人ではないので、顔に出てしまってもケアに影響がなければ問題はないと言えますがが、改善できるならそれがベストです。
認知症と言っても自分の考えがなくなったわけではないですから、同じことを繰り返し言ってくるのは大切な事柄なのかもしれません。
そこに耳を傾けてあげると利用者も落ち着き、ケアが楽になることがあります。
言葉の背景にある事柄を汲んであげることは利用者の心に沿うことなので、それによって信頼関係も築けるでしょう。
それから、役者になったように演技をして仕事に当たるという介護職員は少なくありません。
実は素の自分で介護するのは容易なことではないから、自分とは少し違う人物になることで、行き詰るのが減るのではないでしょうか。
タイムカードを押した瞬間から満点のサービス提供者の役柄に入り、仕事が終わったらその日あった嫌なことは忘れるように工夫して乗り切った、という事例もあるから侮れません。
それでも大変な場合は、利用者の家族に相談して薬を調整してもらう方法もあります。
妄想などの症状を抑えられる漢方薬も処方できるので、介護職員だけでなく、利用者自身も楽になるかもしれません。